中丸貴史氏「軍靴の響く場から「文学」を叫ぶ」(「日本史研究」700号 2020年12月)
いただいてから時間がたってしまいました。反省。
「漢文学」を受講する学生の「観念をひっくりかえすのが筆者の仕事」が胸に響く1本。
はからずも昨日に続き、研究とは、文学とは、という根本を問い直すものでもありました。「社会との関わり方」「ミッションとしての教養教育」の節は、着任以降教養教育に従事してきた立場としては励まされるものでもありました。
「『源氏』研究を前提とした不親切な書きぶりの論文も少なくない」の一文、非常に重要な課題でありつつ、個人的には、教養教育に携わることで、不親切な書きぶりがマイナスの面でできなくなってきているような不安があります。
熱意とパワーで押し切る(年齢的にそれではだめなので当然なのかもしれませんが)ような切り口を持てない、書き方ができないというか。
中丸氏とはまた形が違うものの、いわゆる「文学部」ではない場でどう文学を読み、伝えるのか、そこには何があり、何があらねばならないのか。自身に問い直す1本です。
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