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執筆者の写真MIho Kasuga

吉井美弥子氏「これからの文学教育」

思いがけない日々が続いています。

いろいろと落ち着かない日々だからこそ、何かを自分のなかに残したいと考え、今日から、本や論文を読んだ記録を残していきたいと考えています。


記念すべき1本目は、「日本文学」2020年4月号に掲載されている、表題の論文(報告)についてです。これは、12月に大正大学で開催された日本文学協会第74回大会におけるシンポジウムをもとにしたものです。

私も会場にいて、ご報告をお聞きしたので、記憶がよみがえってきました。


氏の主旨としては文学が「役立つ/役立たない」からの脱却ということがあると思うのですが、その一方で、会場で聞いたときも、今回読んだときも、心に残ったのが「きわめてわかりやすい文学の効能として、文学には経済効果を上げることのできる要素がある」ということでした。私自身、『ちはやふる』にはまって、子どもたちと近江神宮に「聖地巡礼」にいったことがあります。まんがはすべて持っており、ブルーレイ完全版も持っています。近江勧学館ではうれしくなってグッズもたくさん買いました。百人一首の魅力を再確認し、読み上げ機も買いました。「経済効果を上げる」ことのちいさな一翼を担っている自覚があるのです。


今、NHKでは、「いいね!光源氏くん」が放映されていますが、そのまんがの原作も買ってしまいました。私個人がまんがが大好き!!!というのも大きいのですが、文学には経済効果がある、、うん、確かに、、と素直に思います。


そして、「日本の古典文学作品は、日本ならではのありがたい伝統文化の美しいアクセサリーなどにできるものなのだろうか」という指摘にも共感します。これもまんがの話になってしまいますが、今、長女が古典文学作品に大変興味を持っており、『あさきゆめみし』を読みたがっていますが、あえて、手の届かないところにおいています(古典的な手法です)。やはり年齢的に早すぎる描写があると考えているからです。

これひとつとっても、きれいごとではすまないものがあると思います。


私は最近、私自身に何か一つの論を打ち立てることはできないと考えています。もちろん能力が足りない、、のですが、一方で、それは悲観的なことだけではなく、作品が好きで、おもしろいんだ、ということが最優先にきている=研究のために読んでいるわけではないということを少しずつ自覚しつつある過程であると考えています。

そんな私にとって、氏の報告はとても励まされるものでした。

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